土地取引の基本的な考え方
土地の取引は基本的にプロの世界です。生半可な知識で素人が下手に手を出すと大けがをします。この辺りを頭に入れた上で基本的な知識をおさらいしておきましょう。
土地の見方
土地を評価する際、基本的に確認すべきことは個人で土地を購入する場合と大きく変わりません。用途、権利関係、法令に基づく制限です。
登記されている用途が現況と異なる場合がよくあります。その場合はその旨記載がありますので確認しておきましょう。借地権が設定されていると、自分で自由に使用できません。内容の十分な確認が必要です。建ぺい率、容積率だけでなく、融資条件なども確認しておきます。
競売物件
よっぽど自信がないと競売物件に手を出してはいけません。どうしても競売物件が欲しい場合は、公的な機関が売主になっている裁判所物件に限りましょう。競売物件は市価よりもかなり安めですが、それは理由があるからです。占有屋がいて、容易に立ち退いてくれない可能性があります。物件によっては実物を下見できないものもあります。その場合は写真で判断するしかありません。落札物件の残金を納付できない場合は、保証金は没収されます。このような条件を慎重に吟味した上で、取り扱うことをお薦めします。
土地の評価指標
一般的に、地価には、公示地価、路線価、基準地価、固定資産評価額があり、これらは実際の取引に当たって参考にされます。
公示地価は国土交通省が全国の都市計画地域を対象に調査し毎年1月1日時点で公示する価格です。
路線価は、国税庁が地価税や相続税の観点から、税額算定の基準として定める価格です。
基準地価は、国土利用計画法に基づく、土地取引の基準として定める価格です。
固定資産評価額は、固定資産税の税額を算定する際に使用する価格です。
新しい土地の評価指標
土地は単なる時価利用のためだけでなく、収益性や流動性の観点からも評価されるべきとの認識が高まっており、不動産の評価にあたっては、従来の原価法、取引事例比較法に加えて、収益還元法が新たに導入されています。
収益還元法は、不動産の収益性を重視した評価手法で、2003年から法施行されています。鑑定評価の結果についての説明責任が強化されています。