会社は常に新しい商材の仕入れ先を探索し続けることが重要です。自社の取り扱う商品の競争力を上げるためです。ものづくり企業にあっては、新商品の開発力が競争力の源泉になりますが、自ら製造しない小売業や卸売業にとっては、新たな仕入れ先の開拓こそ、ものづくり企業の商品開発力に相当する競争力の源泉なのです。勿論、ものづくり企業にあっては、最適な原材料の仕入れ先の開拓は、自社製品の製品競争力アップにもつながってきます。
仕入れ先を開拓する際の重要項目としては、①商品力、②販売・納品、③経営姿勢の三つです。 どれも重要です。新たな仕入れ先への乗り換えは当然リスクが発生しますが、それを勘案しても新規仕入れ先の開拓によるメリットを永い目で考えるべきです。
商品や原材料を選ぶポイントと仕入先企業の健全性
商品力
仕入れ先を選定するにあたって検討するべき事項として、まずはその商品力が上げられます。ものが良くないと話になりません。商品力としては、商品としての機能やデザイン、ブランド力、商品の種類、安定供給力、商品開発の積極性などを見ます。勿論、価格設定の妥当性は必須項目です。
商品の機能
商品の品質は重要です。ものが良くなければ客が離れてしまいます。
デザイン
近年の消費者はスペックよりも、むしろ感性を重視する傾向があります。商品のデザインやパッケージが感覚的に消費者の承認が得られるかどうか、判断します。
価格
価格が重要だからといって、「安かろう、悪かろう」では困ります。要は価格と商品力のバランスです。最終消費者の目線で慎重に判断します。
ブランド
ブランドはある意味、決め手になりますが、コストも馬鹿になりません。仕入れ先のブランド力は、表面的なものだけではなく、今後の成長なども考慮に入れましょう。
商品の種類
仕入れ先の選定にあたっては、取り扱う商品の豊富さを考慮に入れましょう。仕入れる側の選択肢が広がります。
商品開発力
常に新商品の開発に力を入れている仕入れ先を選びましょう。将来的なことを考慮すると、新しい商品を提案してくれる仕入れ先は優先的にリストに残しましょう。
供給の安定性
商品や原材料の安定供給は必須要件です。ものが入ってこなくなると、商売ができません。別の会社や商店の評判なども調査しておきます。
販売・納品
仕入れ先の探索にあたっては、商品そのもの以外では、取引条件の公平性や情報提供力、納品の確実性の他に、担当者の人間性(コミュニケーション力)なども見るべきです。永い付き合いになりそうな場合は、特に商品以外の事項についても慎重な見極めが必要です。
顔見知りであったり、小規模な取引の際は口約束にしたり、曖昧なまま進めたりすることがありますが、トラブルの元になります。必ず書面で事前に取引条件を決めておきましょう。取引条件は双方にとって納得感のあるものにしておかないと取引が永続きしません。公正な取引条件を設定しましょう。
そのもの自体の商品情報だけではなく、業界関連の情報や公的な機関の情報など、様々な情報を入れてくれる取引先は貴重です。大事に付き合うべきです。
納品の確実性も必須項目です。遅延が続く業者は理由の如何を問わず、さっさと切りましょう。
商取引も所詮人と人との付き合いです。あまりベタベタとした関係もどうかと思いますが、ある程度親密にコミュニケーションが取れる相手の方が、付き合いが永続きします。
経営姿勢
ちょっと判断が難しいですが、取引先の経営状況や経営姿勢なども見ておく必要があります。安定的な経営ができているかどうか、社会的な信用はどうか、経営者の経営姿勢などもチェックしておきたいものです。
具体的な判断基準の設定は難しいですが、同業他社や付き合いのある業者などの評判も考慮して、総合的に判断しましょう。
経営理念などは、書いたものを見てもピンときません。経営者と面談して、人となりとともに、経営そのものに関する考え方をインタビューするのが近道です。面倒がらず、経営者の勤めとしてコミュニケーションを取りましょう。