年賀状では、出会ってからお付き合いしてくださった方への感謝の気持ちを表すのに欠かせないものです。
人の縁には意味があると言われています。人は支え合う生き物です。そうした中、支えてくれる人に感謝の言葉とお祝いの言葉を一緒に送れるというのは、素晴らしいことです。
「年賀」とは、新年を迎えるにあたって目上の人のところに出向き改めてご挨拶をする習慣です。
日本では奈良時代辺りの古代からありました。明治時代によって郵便制度の整備により年賀状を送る習慣へと変化していきましたが、人に感謝の念を伝えるという風習は形が変わっただけで、気持ちは変わっていません。
とても大切なものです。
年賀状のマナー
親族が亡くなって喪中はがきが届いたら年賀状は出さず、寒中見舞いとして1月7日過ぎに返信するのが一般的です。
また、賀詞関係によって変えることもできます。
目上の人には、「謹賀新年」「恭賀新年」。
目下の人には、「寿」、「福」、「春」、「賀」、「迎春」、「賀正」、「頌春」、「寿春」、「初春」。
友人には「HAPPY NEW YEAR!」や「あけましておめでとー!」などの砕けた感じで大丈夫です。
別に変えなくても大丈夫ですが、相手が知識人だったりすると、こだわる人もいます。基本は、「謹賀新年」がポピュラーではありますね。誰に対してでも敬う気持ちは忘れずにいたいのが日本人の心です。
書き方としては、まず、「謹賀新年」を大文字で書きます。それから、「新年明けましておめでとうございます。」などの越年を喜ぶ言葉を書き、次に「皆様のご多幸とご健康をお祈り申し上げます。」と、感謝の言葉などを短文で書きます。最後に親しい仲だと、「家族一同元気に過ごしております。」などの近状報告をし、「本年も何卒宜しくお願い致します。」と仲を保つ言葉で締めましょう。
一般的な年賀状の文例
謹賀新年
新年明けましておめでとうございます。
無事、新年を迎えられたことをお喜び申し上げます。
旧年中大変お世話になりました。皆様のご多幸とご健康をお祈り申し上げます。
私共の家族は一同に元気に過ごしております。
本年も何卒宜しくお願い致します。
ビジネス年賀状の文例
一般の人に対しては、常識的な範囲で考えれば、礼儀になぞった年賀状が書けると思います。しかし、取引先などに送付するビジネス年賀状は、特に礼儀に気をつけて出さなければいけません。
恭賀新年
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は弊社にご懇意くださりまして、厚く御礼申し上げます。
お蔭さまで弊社も会社を維持できております。
御社の繁栄を心より願っております。
今年も宜しくお願い致します。
と言った感じです。
特に感謝の言葉を強く表現しましょう。
まとめ
現代ではスマホの普及によって、ラインで「あけおめ」の四文字で済ます人が多いようです。実際にまだ電波が安定していない携帯電話の時代には、新年0時になるとサーバーがダウンするほどメールが送られていました。そして、現代はスマホになり、簡単に文が送れるようになり、礼節というものは薄れていっているように感じます。
実際に明治維新後に郵便はがきで年賀状を送る人も「会いに行かず手紙で済ますなんて」と白い目で見られていたと思いますが、せめて日本語の美しさだけは引き継いで欲しいものですよね。
今の時代、手紙にこだわらなくてもいいと思います。しかし、年賀状が来る嬉しさとラインが来た時の嬉しさは全然違います。
スマホの方が安いし、手軽だという気持ちはわかります。
しかし、年賀状を撮影して送ったり、礼儀を持ったちゃんとした文を送るなどして、どうにかして年賀状の形だけは何らかの形で残して欲しいですよね。