転職市場動向
2024年5月9日付の日本経済新聞によりますと、新卒や入社数年の若手社員の早期退職が目立っています。新入社員の4割以上が転職を検討しているという調査結果もあるようです。人材紹介サービス会社への登録者数は、2011年に比べて30倍程度に達しているとのことです。
マイナビが2024年5月13日に公表した「中途採用・転職活動の定点調査(2024年1月-3月)」によりますと、企業の中途採用実施率が増加傾向にあり、2024年3月における同実施率は44.3%に達しています。募集時の年収設定も増加傾向にあり、多くの企業が人材を確保するために、経験者や即戦力となる人材を求めて募集時の年収を引き上げている模様です。
いま話題の退職代行サービス
転職をするということは、転職先が決まったら、あるいは転職先が決まっていなくても、所属している企業を退職する手続きを踏むことになります。ゴールデンウイークが明けて、いわゆる「五月病」に絡めて、連日のように複数のメディアが取り上げているのが「退職代行サービス」です。
退職代行サービスとは、社員本人の代わりに退職の意思を会社に伝える、民家事業者による有償サービスのことです。様々な理由で、社員本人が会社に直接辞意を伝えることが難しいを感じた場合に利用されています。
退職代行サービス会社の事業概要
提供サービスの基本的な流れは、社員本人からの無料相談→社員本人が所属する企業に対する代行業務の実施、というシンプルなものです。業務の性質上、弁護士や動労組合団体と何らかの提携関係を締結しているケースが殆どです。
退職手続きに付帯する各種メニューの充実度(退職日の調整、会社貸与備品の返却、退職届の郵送、各種条件交渉 など)、料金設定(価格帯は概ね20,000円~30,000円)の切り下げ、決済の後払い化、転職先紹介などのアフターサービス、無料相談対応の24時間化など、退職代行サービス会社各社がしのぎを削って提供価値の向上を図っています。「女性専用」といった形で何らかターゲットを絞って特色を出しているケースも存在します。
なお、退職代行サービス利用のメリットは、自ら会社に行かずに会社の誰とも合わすに、時間をかけずに退職できることです。デメリットは、本人が直接行えば負担しないはずの費用がかかることです。
雇用主の心構え
労働市場において、人材が流動化するなか、いつなんどき、社員本人から直接、あるいは退職代行サービス会社を介して、退職の意思表示をされるかはわかりませんし、そのような場面に遭遇する確率は増えているとも言えます。
備えとして、退職届や退職時誓約書をいつでも手交できるように手元に用意しておくことが有効です。社員本人の退職後、退職証明書の発行を求められることもありますので、こちらも常備しておくと慌てずに済みます。
おすすめのテンプレート
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