ビジネスを展開するにあたっては、最終的に売上げ金を回収しなくてはいけません。所謂、債権の回収です。この業務は、企業にあっては、営業担当や経理担当が業務の一環として日常業務の中で実施します。
具体的には、請求書の発行、入金の確認、電話等による督促など、そしてこれらに関する膨大な書類作成が必要です。
すんなり回収できなければ、調停、訴訟に移行せざるを得ず、この場合は、法律の専門知識も必要になってきます。
こうした債権回収をアウトソーシングしてしまう選択肢があります。債権回収の外部委託にはメリットもディメリットもありますが、これらを比較検討した上で、経営判断として債権回収の適正化を図る必要があります。
外部委託のメリット
専門家に任せることになりますので、債権の回収率が上がることが期待できます。また、会社事務部門の業務負荷が軽減できます。売掛債権を譲渡する場合は、バランスシートから当該取引を消すことができ、資産の圧縮、有利子負債の減少が可能になります。
外部委託のデメリット
外部委託会社に支払うコストが新たに発生し、債権の割引手数料や買取手数料なども付加されます。また、内部に専門家が育ちにくくなるという面も見逃してはいけません。
外部委託の種類
債権回収のパターンとしては、ファクタリングとサービサーという二つがあります。さらに、ファクタリングには、「債権買取型」と「回収保証型」の二種類があります。文字どおり、「債権買取型」は売掛債権を外部に売却してしまうやり方で、バランスシート上はすっきりします。「回収保証型」の方は、債権は譲渡せずに、回収だけをやってもらう方式です。
一方、サービサーは、特別措置法に基づいて国が認めた会社が業務にあたります。業務は多様で、債権買取、回収代行、集金代行、事務代行と色んなケースに対応してもらえます。サービサーには、適格性のある弁護士がいますので、専門性も安心できる側面があります。
いずれにしても、債権回収の外部委託にあたっては、見込まれるメリットを数値化し、必要なコストと比較して慎重に判断する必要があります。