商品やサービスが売れないと、事業は成り立ちません。販売計画はそのためにこそ存在するのです。販売計画においては、「何を」、「誰に」、「どのように」売っていくのかをプランします。
誰に何を売りたいのかを考える
売るものは商品なのかサービスなのか。そして、それは具体的に何なのかをハッキリさせる必要があります。「何かやりたい」ではどうにもなりません。もっと言えば、自分が目指す事業は何なのか。どのような価値を生み出す会社にしたいのかといった、会社の存在意義を明確にしましょう。
自分達がどのような存在を目指しているかが明確になれば、組織の目標を立てる段階になります。何を売るのかは、その目標を達成するための手段として設定することになります。組織のあり方や目標は、一定の期間基本的に変動しませんが、売るものは刻々と変化しても構いません。
誰に売るのか
「誰にでも、何でも売る」というのは、計画になり得ません。何を売るのかが決まったら、次は顧客の層別とターゲッティングです。想定する顧客群を層別しましょう。ゾーンを決めるのです。ケースバイケースですが、ゾーンは広すぎても、狭すぎてもいけません。年代や性別、価値観、エリアなど切り口はいっぱいあります。販売計画の根幹になりますので、しっかり議論して煮詰めていきましょう。
特定の顧客、特に地縁・血縁だよりは危険です。最初は好意的に対応してくれますが、限界があります。また、特定の付き合いに頼ったビジネスも危険です。その企業が上向いているときは良いですが、企業には必ず浮き沈みがあります。出来るだけ不特定多数のターゲッティングを狙うようにしましょう。
どのように売るのか
コモディティ商品を扱う際には注意が必要です。もの自体の差別化が出来なければ、悪夢の価格競争逆スパイラルに陥ってしまうからです。「何処も」、「何処よりも安い」と言い出します。売り上げがそこそこ出ても、利益が出ないとビジネスとしては成り立ちません。
「素晴らしいスペックの商品を、顧客ニーズに適合した形で売れば、必ず儲かる」というのは過去のビジネスモデルです。良い商品・有望なマーケットには必ず競合他社が参入してきます。近年はグローバル社会ですから、競合他社は全世界から参入してくると考えるべきです。「魅力的なマーケットであればあるほど、利益が上げにくい」という不都合な真実が存在するのです。
その時に、競争優位をどのように確保するのかを、独自のビジネスモデルとして確立することを常に念頭に置く必要があります。自分達が考えることは、大抵の場合、競合他社も同じように考えるのです。一歩先を行くか、別の道を行くかしかありません。スピードと独自性が勝敗を分けます。
営業戦略と売り上げ計画
マーケティングの本質はプロダクトアウトではなく、マーケットインです。本来は、「どう売るか」ではなく、「顧客は何を求めているのか」を念頭においたマーケティング戦略が必要です。セールス戦略を否定するのではありませんが、小手先のセールス戦略は、いずれ行き詰まります。
ただ、具体的な計画として、広告媒体をどうするかや、商品投入のタイミングなどを検討することは必要ですし、具体的な売り上げの数値目標や計画も重要です。
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