1.1 健康分野の市場動向
健康分野と環境分野は今後成長が期待できる市場であることは多くの論を待ちません。したがって、この分野に大きなビジネスチャンスがあることは間違いないのですが、それだけに多くの参入が予想される分野でもあります。ここでは医療を除く健康分野の市場動向とそのアプローチを見てみたいと思います。
健康に関するビジネスは、①健康関連の商品販売、②在宅健康サービス、③施設向け健康サービス、④情報提供サービスの四つに分類されます。①の商品販売を除き、大部分はサービス提供ビジネスです。
商品に関する知識や商品仕入れ、流通経路確保など専門的で複雑な物品販売ビジネスに比べて、情報提供サービスは、近年のインターネット環境の整備やスマホの普及なども相まって、比較的参入が容易な市場になっていると言えます。
1.2 インターネットを活用した健康サービス市場の動向
健康関連の物品販売においても、インターネットを利用した直販ビジネスが増えていますが、競合が非常に激しく、独自性のあるビジネスモデルを生み出すことが非常に難しい分野なので、どのサイトも利益を生み出しにくい現状にあります。
一方で、健康サービス分野は、在宅向けや事業者向けに有料で様々な健康関連サービスを提供する、独自性のあるビジネスモデルを生み出しやすい状況にあり、健康指向の高まりもあって、今後大きな成長が期待できる分野です。
ネットでの健康チェックアプリなどは無料のものも多く出回っており、単に会員向けの一般的な健康チェックを行うようなビジネスでは生き残れません。有料に耐えられる、より魅力的できめ細かなサービスが不可欠で、「こんなサービスが欲しかった。」と思わせるような、ユーザーの潜在的なニーズを掘り起こす必要があります。
以外と盲点なのが事業者向けの健康関連情報提供サービスです。新商品情報や売れ筋商品情報など、まとまった有用な情報は、あるようであまりないのが実情ではないでしょうか。単にバナー広告料収入だけではなく、物品販売企業との提携なども念頭に置いたビジネスモデルの構築が可能です。
1.3 スマホを活用した健康関連ビジネス
インターネットを活用した健康サービスビジネスの一形態として、スマホを最大限活用した個人向けサービスは有効です。現在は、国民の大半が常時スマホで情報を獲得、発信できる環境にあります。この環境を上手く活用すれば、個人向けのダイエットコンサルサービスの提供などの新たなビジネスが可能です。
「貴方だけに」というのが非常に重要です。誰でも無料で活用できるアプリは、利用者にとって便利なようで、実は魅力が小さいとも考えられます。友人が知らないような情報やサービスが欲しいのです。個人においてもこのような差別化意識が重要であることに注目しましょう。
今後は、AI技術も格段に進歩するでしょうし、IOTのように、モノにインテリジェンスを与え、モノとサービスが一体化したビジネスが多く登場してくると思われます。このようなビジネスはアメリカが先陣を切るケースが多いことから、このような海外の動向をいち早くキャッチし、これを日本の状況に合った形にモディファイするといった手法も有効かもしれません。