如何にして費用を抑えるか
ベンチャー企業の最初の一歩で最も重要なことの一つは、イニシャルコストと固定費を如何に抑えるかです。潤沢な資金を準備して起業するベンチャー企業は皆無だからです。
オフィスの選択と設定はこの両方にかかってきます。ポイントは、見栄を張らない、利用できるものは何でも利用する、省ける無駄は省くです。どれも当たり前といえば当たり前のことばかりです。
見栄を張らない
誰しもおしゃれな場所に見栄えのするオフィスを構え、ハイセンスな什器を備えたベンチャー企業の起業を夢見ますが、そのような幻想はさっさと捨てましょう。
起業直後は、倉庫の片隅で、机と椅子、電話とPCがあれば基本的に事足ります。家賃は固定費になります。売り上げがあってもなくても毎月支払いが必要なのです。最低限に抑えましょう。
先輩起業家への間借り、シェアオフィス、自宅の活用、公的なインキュベーションなど工夫の余地はいっぱいあります。
什器は、基本的に新調は止めましょう。友人のお下がり、リサイクルショップの格安物品、ネットオークションなど、取りあえず使えればよいのです。見栄を張るのは止めましょう。
賃貸物件の注意点
どうしてもオフィスを賃貸する必要が生じた場合も、出来るだけコストを抑えて、トラブルを避ける工夫が必要です。
可能ならば仲介業者を入れず、直接契約する可能性を探りましょう。仲介手数料や礼金などは馬鹿にならない支出になります。ただ、直接契約の場合は、当然リスクも伴いますので慎重に検討する必要があります。
物件の詳細調査は必須です。実際に足を運んでしっかり調べましょう。床面積とトイレや給湯室の関係、出入りの制限、ネット環境、電源の容量、周辺の治安やビルの防犯など、抑えておくべき項目は結構あります。契約・入居してから、問題に気づいても後の祭りです。
意外と有効な公的インキュベーション
どこの自治体にも起業したての企業が入居できる公的なインキュベーション施設が用意されています。自治体が直接運営したり、自治体の息がかかった団体が運営したりしています。
これらのインキュベーション施設の最大の特徴は家賃が格安だということです。そして、何よりのメリットは、公的なインキュベーションに入っているという看板価値です。名刺に書かれたインキュベーションの名前は意外な効果を示すものです。中には、インキュベーション・マネージャーが常駐して、無料で色々世話を焼いてくれる施設もあります。自治体に問い合わせて、有効に活用しましょう。