オフィスの移転のタイミング
オフィスの移転に際しては、まず移転の目的を明確にしておく必要があります。雰囲気だけで移転するのはコストがかさむだけです。現状の問題点を整理して、目的を明確にします。拡充なのか・縮小なのか、賃料の問題なのか、利便性に問題があるのか、これらによって探す物件の基準が変わってきます。
実際に移転するとなると、現在の契約を解除する必要が出てきます。解約予告期間を確認しましょう。通常は3~6ヶ月前に告知することが必要です。どうしても告知期間を待たずに移転したい場合は、解約金が必要になります。通常は、予告期間分の家賃を支払うことになります。
当然、移転スケジュールは業務との関係を踏まえて慎重に立案する必要があります。出来るだけ、業務に支障が出ないタイミングを見計らいます。
具体的な立地選定
具体的に場所を選定するにあたっては、自分で足を運び、目と耳でしっかりと確かめることが重要です。それも、天気や曜日などを変えて複数回足を運びましょう。地下鉄やJR、私鉄の複数路線が利用できるか、主な取引業の場所との関係、従業員の通勤、金融機関などの利便性などを確認します。
再開発事業の有無についても確認しておくべきです。再開発によって街の状況が一変することがあります。都市再生計画、市街地活性化計画などを自治体で確認しましょう。
物件を選ぶ際、床面積は当然確認します。一般的には従業員一人あたり、2~3坪が基準になります。将来の人員見通しを含めて考えましょう。見落としがちなのが共有部分です。階段・エスカレーター・エレベーター、休憩室・喫煙室などが床面積に含まれていて、実際に使える面積が想定より狭くなる可能性があります。注意しましょう。
賃料関係
立地を判断するにあたって、賃料は最も重要な材料の一つです。築年数だけではなく、セキュリティ、通信インフラなどの状況によって適正かどうか判断しましょう。
共益費は馬鹿になりません。立地施設によって大きく変わってきますので、しっかり確認しておきましょう。施設の点検・営繕費、警備費、植栽管理費、駐車場の維持・管理費などが計上されます。
敷金、礼金関係は、個人住宅の場合と考え方が異なる部分があります。敷金は6~10ヶ月位が相場です。以前は、敷金と保証金が分けられていましたが、最近は敷金に統一されるケースが多くなっています。個人用住宅の賃貸とは異なり、オフィスの場合、基本的に礼金はありません。敷金は退く場合、原状回復費用を差し引いて返却されるのが原則ですが、契約の状況によってはトラブルの元になります。契約時点でしっかり確認しておきましょう。
なお、近年、法改正により、アスベストの使用の有無と耐震診断の状況が重要事項説明書の項目に含まれるようになりました。実際に使用する場合、安全上重要事項になりますので、物件選定にあたって参考にしましょう。