やっとの思いで起業しても、会社が10年間後収益を上げ存続している確率は、なんと10%にも満たないと言われています。大切な会社を長く守り続けるためにも、「収益モデル」を明確にすることは重要です。
収益モデルとは、簡単に言えば「会社が収益を上げる仕組み」を示したもので「ビジネスモデル」ともよばれています。
つまり・・・
- 会社の資産をどのように活用するか
- どの顧客をターゲットにするのか
- どのような商品を販売するのか
- 商品を販売後どのように売上を回収するのか
- 今後、どのように会社を発展させるのか
など収益に関する構造を明確に示す必要があります。
収益モデルを可視化する
起業される際には、どんな経営者でも頭の中で「収益モデル」を考えています。
しかし、これを具体的に「見える」ようにすることが重要なのです。
「収益モデル」を可視化することで、「何をすることで収益が出るのか」を明確にできるため、経営戦略を立てやすくなります。
例えば、同じ規模の会社が同じ商品を扱っていたとします。
両社の経営者の頭の中には、「収益モデル」がありますが、一方は「収益モデルを可視化」します。
当然、可視化された収益モデルは、社内で共有されるため、社員が商品を売るための、具体的な作戦や営業活動が出来るのです。
一方で、どれだけ良い「収益モデル」でも可視化されていなければ、社内全体で共有出来ないために、販売力は低下してしまうでしょう。
このことから、「収益モデル」を見えるようにする事は、会社の存続に関係するほど非常に重要なことなのです。
主な収益モデルについて
では、具体的にどのように「収益モデル」を作成すればよいでしょうか?
この世の中に、ビジネスは無数に存在します。
そのビジネス一つ一つに「収益モデル」があるわけですから、ここでは全てを紹介することは出来ません。
今回、この記事では「主な収益モデル」として8つのビジネスに分類いたしました。
きっと、会社の「収益モデル」を理解することで、どのように収益を上げることが出来るかを明確に知ることが出来ると思います。
1. 直接提供ビジネス
このビジネスは、「商品を含むサービスを企画・製造し、消費者に直接販売する」というものです。
売り上げた額から、材料や人件費などの差し引いた額が利益となります。
例えば、「自社工房の飲食店」や「美容院」などの専門技術の提供により利益を上げているビジネスは全て「直接提供ビジネス」に該当します。
2. 小売り卸売りビジネス
このビジネスは、「他社から仕入れた商品を販売する」というものです。
利益は、商品の仕入価格と売上価格の差が利益になります。
私達がよく利用する、コンビニはじめ大型スーパーや多くのWEBショップなども、この「小売り卸売りビジネス」に該当します。
3. 広告ビジネス
このビジネス、「広告を掲載することで発生する広告料で利益を得る」というモデルです。
広告モデルで収益をあげるには、「どこに掲載するか」「どれほどの閲覧者がいるのか」が重要となってきます。
ただし、限られたターゲットへの広告であれば、利用者の人数が比較的に少なくても、収益を期待することが出来るビジネスです。
4. 別形態活用ビジネス
このビジネスは、「一つの商品を違う形で販売する、もしくは商品の利用権利を与える」ことで利益を得るビジネスです。
例えば、今は個人がWEBに小説を投稿できる時代となりました。
そのWEB小説が、出版社の目に止まり書籍化されたり実写化されたりすることがあります。
これらは、オリジナルの形態を変化させることで利益を得ているため、別形態活用ビジネスに分類されます。
5. 消耗品ビジネス
このビジネスは、「基本的な商品を販売し、その商品を維持するために必要なメンテンナス商品を購入してもらうことで利益を得る」ビジネスです。
例えば、家庭用のPCプリンターはその代表とも言えます。
プリンターを継続して使用し続けるには、インクカートリッジが必要となります。
このためプリンターの価格を抑え、消耗品である専用カートリッジを継続して購入してもらうことで利益を長くあげることができます。
6. 継続前提ビジネス
このビジネスは、「一定以上の期間、商品を利用してもらうことを前提に価格設定して」利益をあげるビジネスです。
例えば、私達の生活に欠かせない携帯電話などが代表的なビジネスモデルの一つです。
多くの携帯電話契約は、月額料金に本体分割代金や定額制を設定することで、消費者から継続的に売上を上げることが出来ます。
7. マッチングビジネス
このビジネスは、「必要としているユーザー同士を仲介して、紹介料などの利益を得る」ビジネスです。
代表的なビジネスは、不動産取引や人材派遣などをあげることが出来ます。
8. フリーミアムビジネス
このビジネスは、「フリーで利用できるサービスの中で、一部を有料(プレミアム)にし、消費者が課金することで利益をあげる」ビジネスモデルです。
よく見られる例としては、ゲームアプリなどがその代表です。
フリーでも遊べますが、更に先のステージに進むためには、有料登録が必要になるなど、フリーミアムビジネスの代表とも言えるでしょう。
収益モデルを理解する
8つのみ「収益モデル」を紹介いたしましたが、恐らくはどれかに該当するのではないでしょうか?
このように、それぞれの「収益モデル」を視覚化し理解することで、どうすれば確実な収益に結びつくかの戦略が立てやすくなります。
例えば、無料で閲覧できる情報提供ブログを作成します。
しかし、一部「有料会員」だけ、更に詳しい情報を提供するようにします。
そうです、フリーミアムビジネスです。
更に、有料会員には「提供情報をまとめた冊子」を購入できるようにします。
つまり、直接提供ビジネスを行います。
フリーミレニアムビジネスで獲得した顧客は、そのブログ情報を信頼しているため、直接提供ビジネスによる商品を購入する確率は高くなります。
このように、「収益モデル」を視覚化さらには「理解」することで、収益をあげるための戦略がより明確に出来るのです。
収益モデルの多様化
このように「収益モデル」は、様々なビジネスモデルと組み合わさることで、より多様化することが出来ます。
さらに、今では技術革新により、多くの「収益モデル」が生み出され成功しています。
例えば、アパレル業界の大手ブランドでは、無料で消費者の体型が図れるスーツを提供しています。
そして、消費者に合った寸法の服を自社で作成し提供します。
まさに、フリーミレニアムビジネスと直接提供ビジネス、さらに技術革新の融合と言えるでしょう。
収益モデルは無限に存在する
このように、これまでの「収益モデル」に加え、技術革新が交わることで、現在では「収益モデル」は無限に存在するようになりました。
私達の日々の生活の中に、利益を生み出すヒントが隠されているのです。
これから起業される方や、既に会社を経営されている方は、是非このビジネスチャンスを逃さないように、「収益モデル」を明確に視覚化できるようにしましょう。
きっと、それが10年後の会社の存続に繋がるはずです。